活動報告

熊本大学 大学院生命科学研究部小児科学分野 中村 公俊

ごあいさつ

九州新生児スクリーニング研究会 会長
熊本大学大学院生命科学研究部小児科学講座 教授

中村 公俊

 新生児スクリーニングは、先天性の異常を生後早期に発見することにより、発症前、もしくは発症直後に治療することを目的とした検査です。わが国では、先天代謝異常症や内分泌疾患などが対象とされてきました。近年、タンデムマススクリーニングの導入に伴い、その対象となる疾患が大きく広がってきました。さらに、新生児スクリーニングの対象疾患の診断や治療の進歩は著しく、ライソゾーム病、重症複合免疫不全症、脊髄性筋萎縮症などを対象とした拡大スクリーニングが実施されている地域が増えてきています。そのため、専門医、小児科医、産婦人科医、ご家族などにおける情報の交換がさらに必要とされています。

 この診断・治療の進歩が著しい新生児スクリーニングの最新の知識を、九州地区の専門家が共有することを目的として、第10回九州新生児スクリーニング研究会(併催 九州先天代謝異常症診療ネットワーク会議)を開催することとなりました。COVID-19感染拡大の現状を鑑み、オンラインのみの開催とし、研究会には九州地区をはじめとして、全国の新生児スクリーニングに関わる医療関係者、検査センターや行政の関係者がWeb上に集まり、臨床、研究にかかわる発表と討論を行いました。また、拡大新生児スクリーニングの現状について、教育講演で分かりやすく解説し、最新の知識を高めることを目標の一つとしています。専門性、地域性の高い研究会によって九州地区をはじめとした全国の新生児スクリーニングの更なる発展の一助となれば幸いです。

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